(株)ピュア・エッジ 代表取締役の木村純子さんにインタビューを頂きました。木村さんは現在、研修講師、エグゼクティブ・コーチ、組織コンサルティングを業務の3本柱になさっています。
NLPって胡散臭そう・・・と最初は思っていました
A.NLPをなぜ学び始めたのかというと、本当の理由は今でもよく分からないのですが、なぜか「今、私に必要だ」という気がしたからです。
Q.直観的にでしょうか?
A.そう、直観的にですね。
Q.純子さんはその当時、会社員であると同時に既にプロのコーチとしても活動されてましたよね。コーチングに活かすことも考えておられたのですか?
A.そうですね、NLPについては、コーチの間でもよく話題になってました。 コーチングの次はNLPを勉強しようとか、実際に学んでいる人もいましたが、私自身は、最初あまり興味なかったのです。 NLPって、そもそもうさん臭そうだし(笑)、色々な団体があってどう違うのかよく分からないし、私には必要ないとさえ思ってました。
Q.その後、純子さんはNLPラーニングのプラクティショナーコースを受講されたのですね。
A.ええ。プラクティショナーコースに参加することを決めたのは、無料説明会ででした。 説明会が終わったあと、「コレ、すぐに受けたい」と即断したのです。 実際にはプラクティショナーが始まるまでに少し間があったので、すぐに何かをやりたくて「願望実現セミナー」から始めました。 当初はプラクティショナーだけだったつもりが、次のステップのマスターにも進み、その後、リソースパーソンに入って・・・2年から2年半くらい、NLP漬けと言ってもおかしくない日々でしたね(笑)。
個人的にも仕事の上でも、めちゃくちゃ変化しましたね
Q.NLPの一連のコースを受講して、純子さんにどんな変化がありましたか?
A.個人的にも、仕事の上でもめちゃくちゃ変化しましたね。自分のコーチングのスタンスとか、リーダーとしての在り方とかにもとても影響がありました。
Q.具体的にはどんな変化でしたか?
A.NLPの基本原則ってありますよね。 「人はみな、今その人のベストを尽くしている。」 「その人の地図を尊重する。」 他者は自分と異なる地図を持っているけれど、地図に優劣はなく、それはそれで良いのだ、ということとかが、頭じゃなくて身体で理解させてもらえたことが大きかったです。
Q.あぁ、身体への気づきは大きいですよね。
A.あと、それを一人ではなく、仲間、つまり受講生同士で気づきあえるのがいいですね。 大人になってから、心を開いて、安心して自分を出せる場はあまりないのですが。 安全安心の場で、何を出しても大丈夫なんだという場を生身で体験できたのです。
Q.確かにNLPの場は、安心安全の場で自由に自分を出せますね。
A.自分がソレを体験すると、今度は人にやってあげることができますよね。 人間は自分がやってもらったことしか出来ないってよく言いいますが、そういうことかな・・・。 別にNLPのワークとかということではなく、職場で関わる人たちやクライアントさんたちに、自然にそう関わるようになってく。
山崎さんからもダメ出しを頂きながらも、本当に実感したことが
Q.確かに。
A.NLPのマスタープラクティショナーコースの中で、お互いにNLPのセッションをしあうじゃないですか。
Q.カウンセリングセッションのことですね。
山崎さんからもダメ出しをいただきながら(笑)カウンセリングセッションを続け、最終的に自分でも本当にそうだと実感できたことがあります。 この人は今自分で選んで、そのビリーフ(信念)の中に浸かっているんだ。 この人はそうする必要があるからそうしているのであって、本来どこにも問題はないのだ。 ビリーフのせいで、たまたまそういう苦しみや悲しみが感じられているだけで、そのビリーフを自分で手放そうと思えば、いつでも手放せるものなのだ。 頭ではなく、これも身体で腑に落ちました。
Q.なるほど・・・。
そのビリーフと共にいるから苦しみにリアリティがあるのが理解できるし、そりゃ苦しいよねって相手に共感する自分がいます。 その一方で、この人には何も問題はないんだ、全く大丈夫なんだと心から感じられる自分もいて・・両方が自分の中で同時に共存してました。 これは決して突き放しているのでなく、かといってどっぷり浸かるのではなく、相手とただ一緒にいるという感じです。 知ってるつもりになってたけど、「ニュートラル」って実はこういう感覚なんだって、体感的に掴めた気がしました。
Q.ニュートラルという言葉の意味や感覚も、人によって違いますよね。
A.その当時で既に6~7年もの間コーチをやってて、さらにコーチング研修の場では、何が「ニュートラル」かを人にも教えてもいたのですが。 「あっ、全然分かってなかったな」と、素直に思えるようになれました。 あと、クライアントの今ここで起こっていることだけでなく、クライアントの背景を理解するのが必要。 頭では既に知ってたけど、感覚的にそうなんだと自然に入ってきたのです。 結果的に、自分のコーチとしてのパワーがぐっと強化された気がします。
Q.コーチとしての在り方も変わったということでしょうか。
A.そうですね。コーチとしてだけでなくビジネスリーダーとしても、ダイバーシティに対する許容度が格段に上がりました。 今思うと、自分が持っている価値観とか、ビリーフ通りでなくてはならないというのを知らず知らずのうちに押し付けてました。 自分とは違う価値観を持つ相手に対する関わり方が変わったおかげで、相手から返ってくるものが変わってきて・・・そうすると、一緒に仕事が出来る人の種類が広がったし、関係性もとても良くなりました。
コーチとして、リーダーとして、研修講師としての骨格を学べました。
Q.他に何か、変わったとか気づいたことはありますか?
A.脳の基本原則とか、全ては安心安全欲求に帰するとか、山崎さんはとてもシンプルに教えてくださいますよね。
Q.確かに、とてもシンプルですね。
A.とてもシンプルなので、自分の日常で起こる色々なことと関連づけながら、理解を深めることができました。職場でリーダーとしてふるまうときに、今ここで何が起きているのか、自分が今ここで、どういうことをすることで周囲にどう影響をあたえるのか、ということにも、NLPは応用できたのです。 自分のリーダーとしての影響力がすごく上がったと思います。
Q.元々、リーダーの素質をもった方だと思うのですが、さらに、ということでしょうか。
A.はい。当時仕事で発揮していたリーダーとしての影響力の根底を支えてくれていたのはNLPの学びだと思います。 仕事だけでなく、日常のあらゆる場面でNLPで学んだことを適用して、これってこういうことだったんだ、という理解するプロセスを繰り返していきました。 自分の実体験で落とし込んでいったので、私が自分でNLPの説明をする際もすごく分かりやすいと言ってもらえるようになりました。 コーチとして、リーダーとして、研修講師としての骨格をNLPラーニングで学べました。 それもNLPのスキルだけではなく、とてもシンプルな、人間という生き物の構造を教えていただけたおかげだと思います。
Q.同感です。 シンプルで使い勝手が良いので、日常生活のあらゆる場面でNLPの観点からの理解ができますよね。
A.NLPのスキルをたくさん伝えるのではなく、本質的なロジックと厳選したスキルをとことん使えるようにするのが、NLPラーニングの特徴ですよね。
Q.NLPの学びを経て、仕事も独立したという形になってますが、今は研修講師としての仕事がメインですか?
A.えっと、コーチ、研修講師、あとは組織開発コンサルタントが自分のビジネスの3本柱ですね。
Q.研修講師はコーチングの、ですか?
A.実は、最近はコーチングそのものの研修は殆どしていません。 ダイバーシティやリーダーシップに関すること、自分と向き合うみたいなことがメインです。もちろん、その中でコーチングをツールとして紹介することはありますが。
Q.その辺りは自分のリソースを活かしている感じですよね?
A.人と関わるときに、特にチームで仕事する以上、自分と違う価値観の人と関わらざるをえないじゃないですか。NLPを学んでからは、違いを楽しめるようになって、とてもラクになったので、そのことをお伝えしたいと思っています。 あと、組織と個人というのが、とても似ていますよね。個人の集積が組織ですから。 個人のビリーフとかアイデンティティが転換することによって、そこから能力や環境が一挙にシフトするように、全く同じことが組織レベルでも起こります。 それをとても感じるようになりました。 自分が会社のマネジメントとしてリーダーシップをとっていたころ、そんなふうに考えてはなかったけど、今振り返れば、実際そんなことが起きてましたね。 今、コーチとして、コンサルタントとして関わるときに、組織活性をしていくときに一番重要だと思って意識しているのは、人間の安心安全欲求だったり、快と痛みの原則だったり、そこにいる人たちのビリーフが環境を作っていることだったりと、NLPで学んだことがふんだんに盛り込まれてます。